ジェネリック医薬品について
 

★ ジェネリック医薬品とは?
 医薬品は、その薬効や副作用に関する臨床試験を行った後、厚生労働省に申請し専門委員会の厳しい審査を経た上で認可されます。これらを先発品(先発医薬品)といいます。新薬の開発には巨額の費用を要します。また先発品には特許があるため、他の製薬メーカーはその薬剤をすぐに製造する事ができません。しかし特許(約10年)が切れた後は、他の製薬メーカーもその医薬品を製造することができ、厚生労働省が先発品と同一の有効成分を同一量含む医薬品であると認たものがジェネリック医薬品です。

★ ジェネリック医薬品が安い理由は?
 ジェネリック医薬品は、先発品との生物学的同等性(薬の吸収パターンが同じ)と製品安定性に関する試験を行い、基準を満たせば厚生労働省から医薬品として承認を受けることができます。先発品のように多額の研究開発費をかけず、同じ成分薬を提供することができるため安いのです。

★ ジェネリック医薬品にはどんなものがありますか?
 特許権が切れた後に発売される薬なので、すべての薬にジェネリック医薬品があるわけではありませんが、よく使われる薬のほとんどにジェネリック医薬品があります。逆に、あまり使われない薬や製造が困難な薬にはジェネリック医薬品はありません。ジェネリック医薬品は比較的規模の大きいメーカーから小規模のメーカーまで、様々な会社で製造発売されており、その結果、ある降圧剤では18社から発売されているものもあります。

★ ジェネリック医薬品の問題点は?
・品質面
 主成分は同じでも、添加物が異なるものもあり、こうした場合にアレルギーが出る可能性はあります。

・安全性
 先発品で、発売後10年以上経た医薬品でも「緊急安全性情報(注意警告)」が出されることがあるため、成分が同等なジェネリック医薬品とはいえ、先発品と同様に情報提供と収集が必要です。

・ 効果
 先発品でコントロールされている患者さんが、ジェネリック医薬品に変わったら血中濃度が高くなりすぎた例もあるといわれ、生物学的同等性が証明されたといっても、経過を十分に観察する必要があると思われます。

・供給面
 ジェネリック医薬品の製造を中心とするメーカーは、その多くが多品種少量の生産メーカーであり、長期にわたり安定した在庫の確保が必要な場合、供給上の問題が起きる可能性があるため、安定供給できるメーカーの選択が必要です。

・どの薬を選ぶのか
 品質面、供給面などで問題のない薬剤を選択するのは当然ですが、情報提供についても充実したメーカーの薬を選ぶ必要があります。

ジェネリック医薬品を希望される患者様は、受診時に直接、医師に申し出て下さい。


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