H19.03更新
痔核硬化療法について

  内痔核(いわゆるいぼ痔)は、肛門で血液が停滞して腫れた状態です。このため、内痔核の表面が傷つくと、出血します。これが、肛門からの出血の多くの原因になっています。一般的に、お薬及び排便習慣の変更にて治まる場合が多いです。
 しかし、なかなか出血が治まらない、何度も繰り返す場合、何らかの処置が必要になってきます。一つは、手術で内痔核を切除する方法です。この治療は、確実に治癒させることが出来ます。しかし、入院しなければならない、術後痛みがある場合がある等の欠点があります。
 もう一つ治療法として、痔核硬化療法があります。これは、痔核に薬(パオスクレー)を注入して、痔核の血流を遮断し、また、硬くすることによって、小さくする治療法です。
 この治療は、外来で行っています。処置時間は、薬の注入時間が約5分、注入後の安静時間が約15分です。副作用は、ほとんどありません。効果は、出血に対して約70%に対し有効です。軽度の脱肛(肛門から痔が飛び出している状態)には、約50%有効です。また、その効果持続期間は、半年から1年と言われています。
 このように手術療法に比べ、効果という点では見劣りします。しかし、痔核硬化療法の良い所は、外来で簡単に行うことが出来ることと、もう一つ、繰り返し行うことが出来ることです。何回か治療して効果を発揮した症例もあります。
痔からの出血はいやだけど、手術はもっといやと思われている方には、良い治療法と思います。そのような方がいらしたら当科に受診してみてください。

 
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