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                          平成20年1月1日掲載

西国三十三観音(第八回)(21番穴太寺・18番六角堂・19番行願寺・16番清水寺・17番六波羅密寺)」 H19.11.29〜30

  
   今回の観音参りは、紅葉真盛りの京都を中心に一泊二日で計画した。観音さんとしては、16・17・
  18・19・21番の5寺。その他に京都の紅葉を楽しむために保津川下りとライトアップされた紅葉を
  付け加えた。なかなか中味の濃い旅ができた。

   11月29日金山発8:03の東海道線で米原経由京都10:43着。 山陰線に乗り換えて亀岡で下車。穴
  太口から穴太寺行きの直行バスは1時間に1本しかなかったので、とりあえず昼食をすませてから穴
  太寺へ行くことにした。バスツァーと違って自主プランのお参りは、時間がかかるが行程を自由に変
  更できるので都合がよい。

   このトップページの写真は、行程の計画には全く入っていない神社ではあるが、たまたまホテルの
  近くにあった「護王神社」を参拝した時の様子である。この神社は、畳2畳位の大きな子(ねずみ)の
  絵馬が早々と飾られていた。守護神は「いのしし」のようで、手洗いの水も「いのしし」の口から出
  ていた。社内には大きなイチョウの木が2本あり、神官がほうきで掃き清めていた。「平成二十年が
  家族や世界の人々にとって健康で平和な一年になりますように!」と祈願した。一足早いが初詣をし
  た気分になった。
 

    
   21番穴王寺(あなおうじ)へは、穴王口からタクシーで直行した。「保津川下り」を入れるため、
  寺までの時間をできるだけ短縮したかった。穴王寺の本尊は身代わり観音で名高いが、33年に一度
  開扉される秘仏だった。経をあげ、納経をすませた後本堂の中入ることが許されたので入れていただ
  いた。本尊は聖観世音菩薩であるがその横に釈迦涅槃像も安置されていた。めずらしいことに、この
  お釈迦様は「なで仏」と呼ばれ自分の体の悪いところと同じところをなでると良くなると言われてい
  る。お釈迦様は布団をかけられていた。
    
   穴太寺のお庭は、室町時代の作風を残した池   亀山から嵐山までの約16キロを2時間の自然
  泉築山式の庭園で、心が落ちつくすばらしいお  と触れ合う舟旅をした。水量はさほど多くなかっ
  庭であった。その後亀山まで戻り保津川下りを  たが、大きな岩がゴロゴロしており、船頭さんは
  楽しんだ。                  竿を岩に当て上手に岩を避けていた。途中、トロ
                         ッコ列車に出合った。トロッコ列車はわざわざ橋
                         の上で止まり相方の人々は手を振って交流した。
    
   嵐山に近づくと川幅も広くなり、ボートや客    ススキがたなびく渡月橋あたりの景色は、神
  船に乗って楽しんでいる人々がいた。嵐山の紅   戸の100ドルの夜景に匹敵すると思った。
  葉はまさに錦絵そのものですばらしかった。     川の堰の上には沢山のサギが羽を休めていた。
                          絵になる風景である。
    
   18番頂法寺(六角堂)は、高層ビルの立ち並    境内には平安京の中心を示したという六角形
  ぶ町の中にあり、本堂は六角形をしている。な   の「へそ石」がある。聖徳太子の創建と伝えら
  ぜ六角形なのか?それは六角は限りなく円に近   ている。
  づく形だからだそうだ。円は円満・万能に通じ
  るとか。
    
   ビルに囲まれたオアシスのような空間に建つ六角堂の一角に池があり、たくさんの羅漢さんが立っ
  ていた。またすぐ隣りのビルの1階部分が池になって白鳥が泳いでいた。どこかへ飛んで行ってしま
  わないのだろうか?不思議な光景であった。
    
   六角堂の茶屋の近くにかわいらしいお地蔵さ    六角堂を出て堀川通りのホテルへ行く途中西
  んが、何か両手にかかえて立っていた。後ろの   の空が真赤に染まり、ビルのガラスや歩道のタ
  布は、雷に打たれた2本の木で雷からお地蔵さ   イルまで赤く染めていた。空の色は刻々と変化
  んを守ったのかも知れない。           するので歩きながら夢中でシャッターを切った。
    
   夕食後タクシーで永観堂と南禅寺のライトア    南禅寺のお庭の砂紋が光と影の芸術のようだ
  ップされた紅葉を見に行った。一昨年日中の永   った。もみじも松も一段とあざやかであった。
  観堂と南禅寺へ行ったことがあるがライトアッ    永観堂が「動的な美」であれば、南禅寺は、
  プされた庭は一段と美しく、イチョウの落葉は   「静的な美」であった。心洗われる思いがした。
  絨毯をしきつめたように美しかった。
    
   2日目の最初の寺は、19番行願寺。西国三    行願寺の次は知恩院。元気グループは徒歩で
  十三観音寺の唯一の尼寺。こじんまりした寺で   私はタクシーで知恩院へ。うぐいす張りの廊下
  あったが暖かみのある寺だった。尼さんは、気   や左甚五郎の「忘れ傘」で有名であるが、本堂
  さくな方で握手をしてくれた。          の後ろにある方丈庭園(有料)は池泉回遊式の庭
                          園であまり多くの人は訪れないようだがすばら
                          しかった。
    
   方丈園は、背景に迫る東山とともに池に映った紅葉が情緒あふれていた。さらに一段と高い所に山
  亭庭園があり、京都の町並みを一望しているとタイムスリップして平安時代へ迷い込んだ感じがした。
  さりげなく置かれたお地蔵さんが極楽への道案内をしているように思えた。
    
   知恩院の女坂の途中に友禅染めの始祖の宮崎    知恩院から歩いて清水寺へ行く途中、円山公
  友禅翁の像がある「友禅苑」があった。湧水を   園を通った。池には青サギや白サギが泳ぎ、紅
  配した庭があり、落葉をきれいに掃いていた。   葉した木々にはハトが休憩をしていた。

      
   16番清水寺はあまりにも有名で何度も行ったことがあるが、今回のような紅葉のきれいな時に訪
  れたのは初めである。清水寺の舞台は139本の柱に支えられ、釘は一切使っていない。このシーズ
  ンはライトアップもしている。観光客がすごく多いが本堂で納経している人はあまり見られなかった。
  奥の院から眺めた本堂と舞台は、紅葉の雲の上に浮かぶ夢の御殿のようであった。石段を下りると音
  羽の滝があり、この水を飲むと諸病に効くと伝えられている。

      
   今回の行程の最後は、17番六波羅密寺である。清水寺からそんなに遠くはなかったが疲れがピー
  クになってきたのでタクシーに乗ったが歩いた仲間の方が早く着いてしまった。天暦5年(951)の創建
  だが現在の本堂は南北朝時代(1363)の再建。宝物館には有名な空也上人や平清盛坐像があるが、時間が
  なかったので残念ながら見学は出来なかった。入口にポスターが貼られていたので写真を撮ってきた。

 

     << おまけコーナー>>

      
    行願寺を出て歩道を歩いていたら永観寺で見   歴史の教科書でなじみが深い空也上人が「南無
   た「みかえり観音」がポスターの中に微笑んで  阿弥陀仏」と念仏を唱えている姿が宝物殿に安置
   いたのでパチリ!               されているそうだ。

 

  今回の観音参りは、京都での紅葉を満喫できた。残りは7寺となった。次回は一月中旬を予定している。

          「三十三観音(第六回)」を定期的更新時に削除します。よろしく・・・・・・

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