5.作業ズボン ダンナが『ちょっとズボンの丈、詰めてくれ』と言って、作業ズボンを持って来た。それが、よりによっていっぺんに5本も出しゃがってよー。しょうがないもんで、ミシンで適当に、ちゃっちゃっと縫ったら、自分で言うのも何だけど、生地がつまってひどい出来だわ。ほんでも作業用だで、まっええかと思ってダンナに見せたら
『何じゃ、こりゃー!メチャメチャだがや』とこう来たんだわね。私、カチンと来てさ、事実だもんで・・・こういう時は、余計腹が立つがね。『ほんなら自分でやりゃあ
』と言ったら『オレはミシンなんかようやらん』と口答えしやがったもんで『自分でやれん事を人にやらせるな』って言ったった。そしたらダンナ、ズボンを握り締めて”こんなもん誰が見ても、許容範囲を越えとるだろう”って、まだ文句言っとるわ。何こいとる、たあけ!許容範囲を越えとるのはおまえだね。結局ミシンの縫い目をほどいて、アイロンで簡単にできるすそ上げテープを使って、ズボンを直したがね、ダンナが。あんたがやれるんなら最初からそうやれって。私に頼んだあんたが悪い!
4.ピクッ! 先週の火曜日から遊びに来っとった(私の)母が、土曜日に帰ったんだけど、それから急に寒くなったでいかんが・・・。それより、うちのダンナでわ、母があんまり甘やかすもんで、どんどん増長しくさってよー。母がダンナに
『何が食べたい?』とやさしく聞いたら『刺身!』の答えだわ。おまえは刺身しか知らんのか。おまけに普段は絶対飲めん高い酒を買ってもらってさあ、いつもの安い酒飲んどきゃええんだわ。母が味方についてくれるのをええ事に、偉そうに
『おい、コーヒー!』って思わず、まゆ毛ピクッ!だ
わ。ほんでも、お母さん帰ってまったで、またいつもの様にグイグイ締め上げたるで、楽しみにしとりゃあよ、あんた!
3.初デート 寒くなると思い出すのが、私のある男性との初デートのことです。いさかやへ行った時のこと、あの日も今日と同じ様に、雪がチラチラする日でした。いざかやのカウンターに並んで座り、カレは日本酒、私はチューハイを頼みました。そして、つまみがマグロのさしみ、もずく、ホッケの開きを二人であるにもかかわらず、各々1つだけ注文した。しみったれ!しょっぼいつまみを、遠慮しながら食べつつも、まっ酒の勢いでほろ酔い気分になった頃、カレのあつ〜い視線を感じた私。あらっ!ひょっとして、
『君きれいだね』な〜んて言われたりしたら、どうしようかしらん。それとも、いきなり結婚を前程にとか言われちゃたりして、とか私思いっきりいろいろ考えとった。そしたら、彼が顔を近づけてきたので、うわぁ!と思って笑顔で
『何か?』って聞いてみたの。そしたら、私の耳元でやっぱりささやきやがった、このやろう!『このマグロ水っぽいがや』まっ、なんちゅう気のきかん男だ!まっ、こんなスカみたいな男。その後、彼は結婚したようですが、どういう訳か世間では、その男を私の配偶者と呼んでおります。
2.行きたいなぁ 旅行会社のパンフレットを見ながら、『あっ、これええなあ、これ行きたいなぁ、熟年放浪の旅!』ちょっと、うそこいていかんて、ちっさいおっさん。放浪の旅って、あんた、そんな旅行はないだろう。だいたい熟年が放浪の旅に出たら、シャレにならんが、と私がつっこんだら、ダンナむきになって
『何こいとる、今はいろんな旅行があるんだで、ちゃんと書いてあるで見てみい』と、どえりゃあ強気で言い返しやがった。ほんで、よーくパンフレットを見たら、そこには
『熟年浪漫の旅』と書いてあった!一字違うがあ!!
1.入浴剤 昨夜、入浴剤がないと叫ぶダンナ。『そこに試供品の入浴剤があるで、それ使って』と答えた私。そしたらダンナは
『ああ、これか、わかった。おっ!しょうが湯なんて、めずらしいがや』と、こきゃがった。ちょっと待たんかい、おっさん!しょうが湯はお湯に溶いて飲むもんじゃ。もう、あんた見ると私、耳からへがでそうだわ!
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