【 第一話 】
2月某日、稲葉さんちのミッキ〜さんは失意の中、名古屋空港に降り立った。彼は性別を偽り、「喜び組」のオーディションを受けるため、済州島くんだりまで出かけたが、結果は不合格だった。書類選考はパスしたものの水着審査で、もっこり股間が見つかり失格となってしまったのだ。ミッキ〜は悔んだ。オレの物がデカ過ぎたんだ、あのもっこりさえなければ・・・と。もっこりの事で頭がいっぱいだったミッキ〜は、穴のあいたカバンから土産の韓国のりやキムチが、ボトッ、ボトッと落ちている事に気づかなかった。家に着いて、ようやく土産を落とした事に気づいたミッキ〜は急いで空港へと戻るが、のり一枚残ってはいなかった。 とその時、猛スピードで走り去る怪しげなトラックが・・・
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【 第二話 】
猛スピードで走り去った、怪しげなトラック。ミッキ〜さんは空港で目撃者の話を聞いて回った。 その結果 「空港近くの八百屋で、破格に高い韓国のりを客に売りつけている」 との証言を得た。空港近くのあこぎな八百屋?それなら、やっちゃんに間違いない。目撃者数人と、やっちゃんの店に乗り込んだミッキ〜は 「この韓国のりはどこで仕入れたんだ!?」 と激しく詰め寄った。果たして、犯人は八百屋のやっちゃんか?
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【 第三話 】
ミッキ〜さんと目撃者数人に取り囲まれた やっちゃんは、いきなり
「まいど!ていへんだ、ていへんだ!」 と、わけのわからん事を言って、その場を逃れようとした。マジギレ寸前のミッキ〜が 「何がていへんな
んだ!?」 と怒りをあらわにすると、やっちゃんから信じられない言葉が・・・ 「まいど!おいらにはアリバイがござんす、ていへんだ!」 と言うではないか。何とやっちゃんは、ミッキ〜さんが土産を落とした頃、幼稚園の父親参観に行っていたのだ。 がっくりと肩を落とすミッキ〜さんに、またしても やっちゃんから、耳を疑う言葉が・・・
次回予告 やっちゃんの新たな証言により、思わぬ展開が・・・ トップへ
【 第四話 】
アリバイが成立した八百屋のやっちゃんが証言した新たな事実とは「そう言えば、ミッキ〜さんが土産を落とした頃、国際線前に犬ぞりが止まっとったらしいぞ」 この衝撃的な言葉に、ミッキ〜は思わず「犬ぞり〜い? そんなもんに乗って来る奴は、はな毛しかおらん。はな毛に決まっとる」 と口走った。 しかし、はな毛を追跡する事に行きずりの目撃者と八百屋は 「あの雪深い秘境へ行くのは、無謀すぎる」 と逃げてしまった。取り残され、ボー然とするミッキ〜・・・
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【 第五話 】
あの山奥まで無事たどりつけるのか、生きて帰って来れるのか・・・、ミッキ〜は自信が無かった。でも、土産をあきらめきれないミッキ〜は単身、はな毛の元へと向かう事に。カゴと馬を乗り継ぎ、半死半生で、はな毛の家を見つけたが、はな毛は何事も無かったかの様に、屋根の雪降ろしをしていた。ミッキ〜が 「オレの土産を返せ!」と叫んだら、はな毛は 「たあけ!おみゃあのキムチは雪の下で、冷凍保存しとるわ。欲しかったら、おみゃあも雪降ろしをしてきゃあ」とこきゃがった。バリバリの名古屋弁と高姿勢な態度にビビったミッキ〜は、恐る恐る屋根へと登って行った。
次回、キムチは雪の下にあったのか?
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【 第六話 】
聞きしに勝る、はな毛の高圧的な態度にミッキ〜は従わざるを得なかった。屋根に上がると、待っていたかの様に 手袋・長靴・スコップが用意されていた。人使いの荒い、はな毛の言うがまま、雪降ろしをさせられたミッキ〜だが、最後までキムチは出てこなかった。ミッキ〜が 「オレのキムチはどこだ?」 と聞くと、はな毛は 「あのよ〜わしが空港に行ったら一足違いで、誰ぞ持ってったらしいわ。関係者の話だと、松阪牛にまたがった、三重県なまりの中年女が全部拾ってったらしいがや。明日あたり、おかげ横丁で売るらしいぜ」 とぬかしやがった。 「初めから、そう言えっ!」 と怒る気持ちをぐっとこらえ、ミッキ〜はなおも聞いた。 「おかげ横丁の何ていう店だ?」 はな毛は 「老舗タニタじゃ!」 と吐き捨てる様に言うと、素早く犬ぞりに乗り、南の方角へと消えて行った。屋根の上にミッキ〜を残したまま・・・
次回予告 舞台は おかげ横丁へと移る。
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【 第七話 】
犬ぞりを飛ばして、ようやく伊勢にたどり着いた はな毛は、赤福本店前に犬ぞりを置き、おかげ横丁へと向かった。ほどなく 「老舗タニタ」 は見つかったが、店の中にタニタの姿は無く、代わりに できそこないの欠けた茶わんを骨董品だと偽り、暴利をむさぼる瑞浪の木暮憲がいるだけだった。タニタはどこへ?と考えつつ、犬の元へと戻ると犬達はみんな酔っ払って倒れていた。その横では、参宮あわびを食べながら、これまた完全にできあがった お祭り母さんが 「ヒック、こら起きんか! おらっ、おらっ!ヒック・・・」 と犬にからんでいた。 いったい誰がこんな事を・・・と絶句するはな毛の背後から、ズッ・ズズ−ッと何かをすする様な音が聞こえてきた。振り向いた はな毛が見たものとは・・・
次回へつづく
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【 第8話 】
ズッ、ズズーッという不気味な音に、はな毛が振り向くと何とそこには、はな毛の実姉 「管理人スー」 が伊勢うどんを食いながら立っていた。「ねえ様、あんた何でここにおるの、まっええわ。ところで、タニタを見んかた?」 と聞くとスーは、「ズッ、ズズーッ、タニタ広報部長かい?あの人は、松阪牛と一緒に長野県の善光寺に出張させたよ。宣伝活動のためさ。ズッ、ズルズル・・・それから、ゆでだこいっちゃんもそうだよ。あの子は動物病院勤務の実績があるからね牛のお世話係りとして、お供につけたから、ここにはいないよ、ズッズズーッ」 と丼を放そうともせず、冷ややかに言った。 その時、はな毛は初めて気がついた。「ねえ様、黒幕はあんただったのね!」 するとスーは、三杯目の伊勢うどんをすすりながら 「やっとわかったのかい、この愚かな妹よ。ズッ、ズルズル・・・」 と不敵な笑みをうかべた。はな毛は怒り 「犬を酔いつぶしたのも、あんたの仕業ね」 と言うと、スーは 「そうさ、あんたの犬はロシア生まれだろ。だから、ウォッカをたっぷり染込ませた赤福をやったら、あのザマさ。これで、キムチは私の物」 と勝ち誇った態度で言った。 ひどい、ひどすぎる・・・はな毛は泣き崩れた。もはや、勝ち目は無いのか。次回、いよいよ最終回。 キムチは、このまま腹黒スーの手に渡ってしまうのか。 涙と感動の最終回二時間スペシャルに乞うご期待!!
トップへ 【 第九話 】
管理人スーの、むごい仕打ちに泣き崩れた はな毛。とその時、目も眩むほどの鋭い閃光が・・・「もしや、この光は」と、はな毛が顔を上げると、はるか彼方からゼッケン808を着けた やっちゃんが頭から光を放ち走って来るではないか。この光をまともに受けたスーは、思わず隠し持っていたキムチを地面に落としてしまった。やっちゃんは叫んだ。「まいど!はなちゃん急げ、おいらの光線は地球では3分しかもたないんだ。早くキムチを・・・ピコン・ピコン・ピコン・・・プスン・・・」 早っ!!もう終わりかよ!?エネルギーを使い果たした やっちゃんは、その場に倒れた。はな毛はスーの落としたキムチを拾おうと手を伸ばした。が、その瞬間 横から一本の杖がシュッと伸びて来た。と同時に杖の先からマジックハンドが出て、目にも止まらぬ早さでキムチをつかんだ。この秘密兵器の持ち主は、そう山田の案山子さんだった。彼は 「たった今、お伊勢参りをしたと思ったら、早速ご利益があったのう。旨そうなキムチじゃ、有り難い、有り難い、ホォーホッホッ」 と笑いながら、悠然と去って行った。日頃、高姿勢の はな毛もさすがに、この長老には手も足も出なかった。しかし、腹黒スーに取られるよりはいいかと納得した はな毛は、倒れている やっちゃんに近づき、耳元でささやいた。「やっちゃん、国際秘宝館に寄ってから帰ろまい」 すると 「国際秘宝館」 の一言で急に元気になった八百屋は、高イビキで眠る お祭り母さんをそりに乗せ、自らそりを引っ張って歩き出した。はな毛の酔っ払った犬達をズルズルと引きずり、仲良く秘宝館へと向かった。一人残されたスーは 「ふん!私はもともとキムチが嫌いだったのさ」 と捨てゼリフを吐き、伊勢湾フェリーで帰る事にした。スーは 「でも、まだ時間があるなあ、そうだ! おやつに手コネ寿司でも食っていくか(まだ食うのかよ!)」 とつぶやきながら、おかげ横丁をあとにしたこうして、一人の犠牲者を出す事も無く、現地解散となったのであります。めでたし、めでたし
『ミッキ〜さんの落し物』
原作 はな毛が、はっ!なげぇ!
脚本 アットマーク中年どっと太る 出演(50音順)
稲葉さんちのミッキ〜さん お祭り母さん
管理人スー 木暮 憲さん
体脂肪・タニタさん はな毛
八百屋のやっちゃん ゆでだこいっちゃん
<友情出演> 犬ぞりの犬達 <特別出演>
山田の案山子さん
この話はフィクションであり、実在の人物・団体等とは・・・ちょこっと関係あります。
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