従来、介護を要するお年よりのケアは、 「福祉」と「医療」の両方の制度によって行われてきました。 しかしそれぞれが縦割りのしくみであるために、サービスの選択が自由にできなかったり、 利用時の負担に不公平が生じる、といった不都合がありました。
　また、「社会的入院」といわれるように、本来、介護施設等でケアを受けるべきお年寄りが、 介護施設が混雑していて入居できないという理由で、医療を目的とする一般病院に長期入院し、 健保財政を圧迫していることも大きな問題でした。
　このような矛盾を抱えた上、さらに超高齢化社会を迎えると寝たきりや痴呆のお年寄りの増加が予想されます。 現在でさえ足りないといわれる介護施設、介護サービスを大急ぎで充実させなければなりません。
　これら迫りくる超高齢化社会の問題を一気にクリアしようというのが介護保険制度なのです。