H24.12更新
T.輸血室とは

輸血に関する検査や輸血用血液製剤の管理業務を一括して行っています。
認定輸血検査技師を含む3名の技師を中心に、24時間いつでも、安全な輸血療法を実施できるよう、努力しています。

   1.輸血療法とは、

 患者様自身で充分な血液の各成分を造れなかったり、けがや手術で大量に出血すると、生命に危険が生じます。この不足した血液成分を補うのが輸血療法です。

   2.血液製剤とは、

 善意の人々の献血による貴重な血液を原料とし、そのまま使用したり、白血球・赤血球・血小板、及びこれらを浮かべている血漿成分に分けて血液の成分製剤を作ります。これらを血液製剤といいます。

   3.成分輸血とは、

 一般に貧血といわれるのは赤血球が不足している状態で、赤血球製剤を輸血します。出血を止める働きの血小板が足りない時には血小板製剤を、凝固因子が足りない時には、凝固因子を含む血漿成分を輸血します。このように貴重な献血血液は、各成分に分けて保存され、必要な成分だけを輸血することを成分輸血といいます。

健康な方はぜひ献血にご協力ください。

U.特長
  当院で、血液型検査をされた患者様には、血液型カードをお渡ししています。

1.このカードは、血液型別に、A型は黄色、O型は青色、B型は白色、AB型はピンク色というように輸血用製剤に色分けされている色と同じ色です。

2.入院時は、ベッドネームのところに提示し、外来で輸血される場合には、ご自身での提示をお願いしています。

3.輸血の際には、予め、血液型不適合のないよう種々の検査を実施し確認して血液製剤を用意しますが、輸血実施の最後の段階での最終チェックとしても血液型確認のため使用しています。

4.新生児の血液型検査や耳朶採血による血液型検査も実施し、血液型カードをお渡ししていますが、新生児や、耳朶採血による血液型検査では赤血球のみの血液型検査のため、ごく稀に、大きくなってから検査された場合に血液型が違う場合があります。正しい血液型は、1歳以上になって、腕から採血された血液で検査しないと確定できません。ご理解をお願いします。

5.まれな血液型の患者様や、不規則性抗体といってABO式血液型以外の血液型に対する抗体を有し、輸血の際に注意が必要な患者様には、個別に文書にて説明させていただきます。

V.実績
  平成23年度輸血実施状況

    赤血球製剤    1,326単位
    血小板製剤    4,030単位
    新鮮凍結血漿   65単位
    自己血製剤     32単位

W.輸血を受けられた患者さまへ

 輸血が原因で、病原体(肝炎ウイルスや、エイズウイルスなど)に感染し健康被害を受けた患者様には国の救済制度(生物由来製品感染等被害救済制度 平成16年4月より)があります。各種病原体は輸血以外の経路でも感染するので、制度による救済を受けるためには、輸血前は陰性であったことの確認が必要です。 そこで、輸血前にも検査を受けていただき、また、輸血を受けられた場合には、感染した場合に陽性と判定できる輸血後2〜3ヶ月の時期にも検査されることが望ましく、この検査は保険診療の適応になっています。
 輸血室からも各診療科の担当医に検査時期の連絡をしていますが、検査のお勧めが遅くなっている場合には、患者様のほうからも申し出て検査を受けられることをお勧めします。
 平成17年に輸血を受けられた患者様の約90%は輸血後感染症検査を受けられました。