主婦たちのミーティング

家内の友人達で料理の腕自慢大会をやっているらしい。美味しい物を作って教え合う集会の様だ。本日のお題は「ピッツァ」。偶然、僕の休みの日に我が家で決行された。どうりで家の中がかたずいている。キッチンなどは新築の時の如くである。「おそるべし女心」そして、その時の会話がこれまた面白い。普段、家内の口からも出てこない台詞が色々出てくる。正直言って怖いと思った。良く出てくる台詞の中に、「切れる」だの「切れそう」がある。どうゆう状態を言うのかは謎であるが、尋常では無いこと確かの様だ。しかし、冷静に聞いていると、的を得た事を言っているので、言い返す言葉も無いのも事実である。男とは如何に勝手な生き物なのかを痛感した次第である。反省しきりだった。

先日、家内の誕生日だった。丁度、328の部品と車検やらで予算がかさむので大変だ。と思っていたところ、"今年はやっぱり私の洋服は無理ね" と顔に書いてあった。"何か欲しい物は" と尋ねた所、"あれにお金掛かるなら別に〜" との回答、これはラッキーと思っていたのだが、、、。もう少しで亭主失格になる所だった。翌々考えてみれば、自分一人で「Ferrari生活」が成り立っている訳では無い。家内の理解が有ってこそなのだ。それを忘れていた。一番大切な事を蔑ろにして、人間失格、亭主失格。さよなら〜。。。

ある朝、通勤途中でふと自分を戒めたのである。"やっぱり今晩、花を買って帰ろう" 実は毎年そうしていたのだ。帰り道、財布の中身を確認すると、5千円札が一枚しか無い。歳の数分の花は無理だなぁ。花屋のおねーさんに何とお願いしようか、気が変わって "何時に終わるの?"なんて事にならない様にしないと、、、でもむこうから好意的にしてきたらどうしよう。。。 "どなたにプレゼントされるのですか? きっと奇麗な女性なのでしょうね〜。羨ましいな〜。私なんて。。。" などと言われた日には、う…。こうゆう時は不謹慎だから止めよう。ポケットを探ると250円あった。アバウトなくせにラッキーな自分には、まだ運はあった。税込み5250円分の「真紅の薔薇」をたのんだ。当然、奇麗なラップをサービスしてくれる様に頼んだが断られた。 "くそ〜、絶対誘ってやらない!" さっきまでの妄想は何だったのだろう。

玄関先で娘を呼んだ。 "これをママに渡してあげて" 何時もの事とはいえ、娘も幸せそうに微笑んでいる。自分の事でもないのに照れている。やはりこれで良いのだ。亭主失格にはならずにすんだ。

"今年はもう無いのかと思ってた"

"えっ、いつも感謝してるよ。それに君しかいないし"

口先もイタリアンになってきたようだ。それにしても、財布の中身が。。。翌朝、お小遣いをねだったのは言うまでもない。

主婦たちのミーティング 完


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