シリーズ 学校100年・ふるさと100年
D<学校の建設 その1>

 枳豆志第二小学校は当初校舎が整わず古場と苅屋の学校の校舎を使っていまし

た。古場校は明治28年に、古場村字廻間に校舎を新設しました。この校舎は古

場の酒造家澤田儀左衛門らの尽力によって建てられました。西浦南小学校には、

興味深い明治29年の古文書が残されていました。今回この古文書を解読したと

ころ、澤田儀左衛門と文部省と校舎新築に関する手紙であることがわかりました。

損傷がひどく、欠落しているところもありますが、内容は、校舎新築に際し、文

部大臣の書を申請し、それが、認められ、大臣より贈呈される運びとなったこと

のようでした。そのときの文部大臣は西園寺公望でした。この手紙からすると、

西園寺公望の書が存在するのではないかと、資料室を探したところ「公望」と銘

のある大きな書額が発見されました。年号はなく「丙申」とあり、明治29年に

あてはまりました。同時に、「為苅屋校 藤原篤麿」という銘の書も発見されま

した。明治38年に苅屋校舎が新設されたときに書かれたものと推測されます。

この二つの額は古場校、苅屋校のシンボルとして掲げられていたものと思われま

す。

     
   古場校に贈られた西園寺公望の書       苅屋校に贈られた藤原篤麿の書



校舎新設に際し、文部大臣に書を申請したことに関する手紙


もどる