陶郷風の間

03.04.15 お遍路さん? 相持院の桜は、地元の人は外に知られて無い様に思っていますが、意外と観光バスなどで花見のツアーに来ています。今年は5日に雨が降り6日は満開になりました。
早速花見に!と思い来たのですが、凄い車の数。多くの方が花見に来るのは良い事です。でもこの写真の場所は本堂の前。タクシー、マイクロバス、自家用車で次から次へと乗り付けてきます。100Mも離れていない所に大きな駐車場があるのですが。彼らは知多四国を回るお遍路さんですが、ちょっと考えて欲しいものです。これで御利益ってあるんでしょうか?
03.02.24 野口英世像の台 半田市立乙川小学校にある、二宮尊徳と野口英世の陶像は静観の作です。これらの像に対し、少し疑問に思う所があり、乙川小学校で調べたところ、意外なことが分かりました。
野口英世像は昭和33年の制作なのですが、台座には昭和12年とありました。不思議に思い尋ねたところ、以前この台座の上には、楠正成の像があったそうです。
戦後の思想の変化や、戦時中の金属供出などで、戦争をはさんで随分多くの作品が無くなりました。軍事的思想を全面に強調した作品は、致し方ないのもしれませんが、多くの芸術作品、文化財がこの時期失われたのも事実です。軍事と同様、政治も芸術を簡単に捻じ曲げます。しかし芸術は政治を変化させる事は出来ないのでしょうか?無力なのでしょうか?
02.05.30 前川指月作
天邪鬼
常滑陶業研究家の柿田富造さんから、二宮金次郎の陶像を調べていた所、静観作らしき陶像を見つけたので一緒に行かないか、とのお誘いを受け早速行ってきました。行方のわからなかった野口英世像でした。二宮金次郎のほうは静観とも交流の深かった前川指月の作。前川家の方もいらしたので、他の作品の話を聞くうちに、どうせなら指月の作品の多いとこに行きましょうと言うことで、南知多町宗真寺に。ここには、指月作の1000体もの地蔵菩薩像や、福禄寿、像の足香炉などがあり、中でもなかなかユニークだったのが、この天邪鬼。右横に撥が置いてあり「頭を叩いて邪気を払いましょう」とありました。野口英世像と二宮金次郎の写真はこちら
02.05.06 5月5日は 常滑市山方会館には、静観作「弁財天像」が会館入り口にあります。5月5日『子供の日』には、色々なもようしものがあり、年に一回このときだけ、「弁財天像」に通常被されている網が外され、その全身がハッキリ見ることができました。日頃からよく見えるようにあって欲しいですが、公園が隣にあるための心行きとどいた配慮でしょう。今年はしっかり写真に収めてきました。もちろんHPの写真も新しくなってますよ。
02.04.15 常滑の粋 先日、ある野外に設置されている陶像が、不心得ものの悪戯により、ひどく損傷していました。陶像は技術者によりただちに完全に修復されましたが、なんとも傷ましい事件でした。その時、常滑市内本宮山頂にあった柴山清風作の観音像の話を思い出しました。この観音像は昭和15年頃に、日本国戦死者と中華民国戦死者慰霊のため、南京と大場鎮激戦地の土似て制作依頼のあった、熱海伊豆山の観音像の姉妹作で、同じ時期に本宮山頂に建立されたのですが、戦時中に、不心得物の手によって破壊されてしまいました。
明治16年に美術研究所が出来、内藤鶴嶺、寺内半月らがもたらした、ローマ彫刻を土で表現する技術は、常滑における陶彫という分野を飛躍的に向上させ、富本梅月、平野霞裳をはじめ、多くの名工があらわれました。そして、現在、常滑には非常に多くの陶像があります。そのほとんどが、個人の寄贈、または、製作者本人の寄贈によるものです。私財を投げ打ってでも、常滑の美観を整備したい、神社仏閣を整備したいという人々の声、作者の願いで出来たものばかり。日本でもっとも陶像の多い町常滑を、我々は常に誇りに思い、文化を守っていかなくてはなりません。
02.03.23 とっくり? たまに言われるのですが、「今時、徳利なんて使う?お燗とかも最近はあんまりしないし・・・」と。しかしながら、お酒は燗をしなくても是非徳利に移してあげて欲しいものです。
まず、何と言ってもお酒の味が一味違います。非常にまろやかになります。「備前の徳利お酒がうまい」なんて言葉がありますが、もちろん備前で無くとも、焼き〆の徳利や多孔質の釉薬のものでも同様の効果があります。ワインのデキャンタ同様、多少の酸化作用がお酒をまろやかにしているのではないでしょうか。お酒を召し上がる30分〜1時間くらい前には徳利に移してあげると効果がはっきりわかります。「冷やで美味しく頂きたい」なんてときは召し上がる2時間位前に徳利に移し、そのまま冷蔵庫へ。美味しく冷たい、温まり難い冷酒徳利になります。
また、徳利でお酒を頂きたい一番の理由は、やはり風情を感じること。ゆっくり一人で酒器と会話しながらお酒を楽しむのもなかなか乙なものです。