伊奈長三郎レリーフ

焼き締め
陶板文字共に静観作
昭和34年制作
とこなめ陶の森 陶芸研究所(玄関口西側)
幅109X高さ59cm

陶板右 この陶藝研究所は、昭和三十四年十月、
伊奈製陶株式会社社長伊奈長三郎氏が
常滑陶藝の興隆を念願されて同社株式
十五万株を常滑市に寄付、その資金によって
建設され且つ運営されるものである
ここに篤志を讃えてその像をかかげる
常滑市
陶板左 設計 堀口捨巳
施工 松井建設株式会社
着工 昭和三十五年十二月
竣工 昭和三十六年九月




伊奈五助翁之像

焼き締め
高さ80cm

五代長三、伊奈五助翁の陶像。
伊奈五助は日本陶業創業者であり、常滑研究所の初代所長。
日本陶業にあったものを、とこなめ陶の森陶芸研究所に寄贈移築したもの。




とこなめ陶の森 陶芸研究所

とこなめ陶の森陶芸研究所は、以前常滑陶芸研究所と呼んでいたところです。

伊奈長三郎氏が常滑陶芸の発展を願い、
伊奈製陶株式会社(現LIXIL)の株を常滑市に寄付され、
常滑陶芸研究所の建物は、堀口捨身氏の設計です。

運営方針としては、展示、研究制作、陶芸研修を3つの柱とし、
古常滑から現代までの常滑焼きの展示、
古常滑の復元から現代に即応した新しい陶芸の制作、
陶芸作家を志す若い人のための研修制度を、行っています。

平安時代鎌倉時代の甕や壺、
江戸期から昭和初期にかけて作られた茶器などは
目を見張るほどの名品が展示されています。
常滑の焼きものを知る上で欠かすことの出来ない施設です。

哲学者(故)谷川徹三さんの研究所完成への思いを下に載せてみました。

 
 【伊奈さんへの感謝をこめて】
                                        (故)谷川徹三  
 
 常滑陶芸研究所の建物がいよいよでき上ったという。
 お目出とうというのは人ごとである。
 私にはこれは人ごとではない。
 嬉しい、ほんとうに嬉しいというのが私の気持である。

 それにつけても伊奈長三郎さんには何と言って御礼を申し上げていいか。
 伊奈さんを子供の頃は幼名で長太郎さんと呼んでいた。
 中学より上の学校へ行っている者で芳枝会という会をつくっていて、 
 伊奈さんはその芳枝会の先輩であった。
 たしか私の兄の更太郎と同年であった。
 その頃から大柄で、おっとりしていて、どこか大人の風格があった。
 
 長三という家の名前も昔から知っていた。
 その長三が初代以来何代にもわたって名工を出した家であることは、
 後年、陶器に興味をもつまで私は知らなかった。
 陶器辞典を見ると初代長三は文政5年78歳で没したとあるから、随分古い家だ。 
 
 私は今、手許に73翁長三という銘のある糸目作りの朱泥の急須を愛蔵し、
 これで時々玉露をいれる。
 父が急須を百あまり集めていた中から、
 私の好きなものを二つもらってきたその一つで、 
 大正13年82で没くなつた先々代四代長三の作だろうと私は思っている。
 これはしかし、いつか誰かに鑑定してもらいたい。
 非常に薄づくりでありながらロクロの腕の冴えも美しく、キリッと締まって手強い。 
 このロクロの味わいは、私の心に強く染み込んで忘れ難いものである。    
 
                                           和36年秋  
   


(以前常滑市立陶芸研究所であった時のパンフレットより掲載してます)

とこなめ陶の森 陶芸研究所
〒479−0835
愛知県常滑市奥条7丁目22番地
TEL(0569)35−3970
開館 9:00〜17:00
休館日 月曜日及び第4火曜日
(これらの日が祝日休日にあたる場合はその翌日)
年末年始(12月28日〜1月4日)
入館無料




陶芸研究所は新年度を迎えると桜でいっぱいになります。


陶芸研究所は常石神社の境内にあります。
その常石神社も桜で覆われます。
特に鳥居から神社に続くまでの桜並木は桜の名所として有名です。



常石神社の鳥居です。
この後に桜並木が続きます。




桜並木です。
満開時は壮観ですね。




四月の第2週の土日になると春の祭礼が行われます。
この場所にからくりの付いた山車が6台並ぶ事になります。







常石神社の社です。
石碑のある所から随分と階段を上らないといけません。静かな所です。

この社の左側にある雑木林を抜けると陶芸研究所に行くことが出来ます。
(常石神社から研究所に来る人はほとんど居ないと思いますが。)



常石神社から来ると、片岡武正作の長三像近くに出ます。