― パラレルアスイザ 新婚家庭編 登場人物基本設定 ―

アスラン/機械関係のお仕事。怒ると鬼畜設定の・・・つもり。何かと嫉妬深いところがあるかもしれない。

イザーク/大学の講師。民俗学を主に研究している。裏のイザはよく怒ります。もはや持病のような勢い(まて)さびしがり設定。

ディアッカ/ミリーさんとどうやらお付き合いしているらしい(??)しかしアスランもイザークも人の恋路には興味ないため詳しくは知らない。怒ったイザの駆け込み寺。

家/結婚をすると同時に引っ越したおうちに住んでます。ディアッカは一人暮らし。


「結婚をすれば、帰る場所が同じになるし。ずっと一緒にいられる」

 そんな内容にほだされて(?)イザークはアスランと結婚した。


 しかし、その新婚生活ははやくも崩壊しかけていた。

「アスランの奴・・・!!!」
 ソファーの上にあったクッションが、壁のほうへと飛んで、ぼふんとぶち当たるとそのまま床へと落ちる。
「なにがずっと一緒にいられる、だ!!帰ってこないじゃないかっ!!嘘つきめっ!!」
 リビングのソファーに座っているイザークは、手近にあった物という物全てを同じ位置に投げ尽くしたあと、机の上に広げた一枚の紙をあらためて見据える。

離 婚 届

 紙にはそう書かれていた。イザークは、用紙の隣に平行するように並べておいてある万年筆に手を伸ばす。
 伸ばされた手がぶるぶると震えて・・・・またひっこめると、目を閉じて深呼吸を何度もする。
「予備の紙は貰ってきてないからな・・・」
 慎重に書かなくては、また貰いに行くのに手間がかかる、と。
 誰も聞いている者などいないのに、何故か言い訳めいた言葉を口にすると再び万年筆へと手を伸ばす。
 キャップを外してその辺に投げると、紙と真っ向から向き合う。
 アスランは、新婚旅行から帰ってきた後そのまま仕事に行って家には戻ってきていなかった。
 イザークも、一日目は旅行へと行っていたから仕事がたまっているのであろうと納得し疲れているだろうアスランを想い心配した。
 二日目は、一日中そわそわしながら大学で講義してきた。
 三日目。とうとう我慢の限界がきた。職場へ行ったきり連絡のひとつもよこさない事に、とうとうキレた。
 ひとこと。ほんのひとことでよかったのに。
 キレた勢いでイザークは役所へと行き、離婚届の紙を貰ってきて、そして今のこの状況。
 サイン等を記入するその、第一筆目にゆうに一時間は経過していた。
 万年筆を持ったり置いたり。
 今に連絡がくるんじゃないかと思ってそわそわし、今きたら仕方ないから許してやるなどと考えてみて、やっぱりこないので物に当たってみたりと。
 そればかりをくりかえしていた。
「くそっ・・・・・・・・!!!」
 これではまるで俺が未練を持っているようだと(実にそのとおりなんですが)頭を振って・・・しっかりと万年筆を握り直した。

 離婚届はそれからさらに一時間後に完成する。

「完璧だ・・・!!」
 イザークは、強がって満足げに言ってみた。
 サインをする際アスランが帰ってきて止めるのではないかとか、どうあっても許すつもりはない!!と言うセリフなどを途中用意していたりしたが結局途中でアスランが帰ってくることはなくそれは完成してしまった。
 これで後はアスランが帰ってくるのを待つだけである。
 机の上に置いておいて出て行くという選択肢はイザークには到底無かった。
 ただひたすらに帰ってきたところに、紙を突きつけてこれにサインしろと言ってやるというのがイザークの計画だった。

 ちっ ちっ ちっ

 時計の針の音がやけに神経にさわる。秒針のある時計は、自分が好きで置いてあるのだが今はとてつもなくいまいましい音を発する機械のように思えた。

 夜遅くなっても、アスランはまだ帰らない。
「今日も帰ってこないのか・・・っ。人を待たせやがって!!どういうつもりだっ」
 イザークは、表情を曇らせながらやけにのんびり進むような気がする時計の針を眺める。

かちゃ・・・

 玄関のドアの開く音を聞きつけて、イザークは離婚届をもって玄関へと走る。

「アスランっ・・・!!」
 怒った口調で呼ぶイザークの様子をアスランは気づかないのかにっこりと笑んで、ただいま、と告げる。
 そんなアスランの様子に、イザークは一瞬ひるみつつも用意していた言葉を言おうと口を開きかけたとたん、近づいてきたアスランがイザークを抱きしめる。
「・・・・イザーク」
 そのまま持たれかかるように身をあずけてきたアスランの体重を、受け止めきれずその場で後ろへと倒れる。
「な・・・っアスラン・・・・こんなところでっ・・・・・・・・    ???」
 イザークは一瞬赤くなりつつもどうも様子がおかしいと首を傾げる。
 よくよく見ると・・・・。
「って寝るなっ・・・!!!!」
 アスランは眠っていた。軽く寝息を立てて幸せそうな表情で。
 イザークは、無言でアスランをどけて立ち上がるとアスランの服をひっつかんでずるずるとひきずり寝室へと運ぶとなんとか抱えてベットへ放るように投げる。
「貴様なんかもう知るかっ!!馬鹿っ!!」
 そう言って踵をかえすと、離婚届を持ったまま玄関から出て行く。



 ディアッカが、玄関をあけたちょうどその時、向こうからやってくる人影を見つける。
「イザーク・・・?」
 イザークは、両手に酒類をいっぱいに抱えてディアッカがあけた玄関へ突き進む。
「ちょ・・・イザークっ!俺今から出かける所なんだって。 ・・・聞いてないな・・・ありゃ」
 イザークは無言で勝手知ったるディアッカの家へとずかずかと入り込む。
「はぁ・・・ったく。アスランの奴今度は何したんだよ」
 ディアッカは、やれやれと言った表情で玄関から近い位置にあるモニターに手を伸ばす。
 短縮で、彼らの家へと電話をかける。
「・・・・・・・・・まじかよ・・・アスラン・・・出ろよ」
 呼び出し中の表示。
 暫く待ってみて。画面が切り替わった瞬間、モニターに映ったのはイザークだった。
「連絡もなしにどういうつもりだ貴様っ・・・!!」
 本来なら、留守にしてるために伝言をとくるはずの画面で。
「・・・・・・・・・」
 ディアッカは、伝言を残さずに接続を切る。
 事の次第を理解して、ディアッカはため息をひとつついて電話を今度は違うところへとかける。
「あー俺・・・あのさ、今日ちょっと・・・っておい待てよ!」
 映った瞬間にドタキャンを悟られたようで、モニターの向こう笑顔で接続をきられる。
 もういちどかけてみても今度はつながらなかった。
 イザークのこと、どうせいつもの彼らの喧嘩なのだからほおっておいてもいいと思うのだが。
「なんとなくほおっておけないんだよねぇ」
 身についた馴れなのか。
 単に、戻って来たときの部屋の有様を思ってか。
 ディアッカはキャンセルになった、約束を思いぼやきながらイザークのところへむかった。


 キッチンのテーブルの上でイザークは持参した酒の缶の蓋をあけ飲んでいる。
「イザーク」
「・・・・・・・・・・・・」
「アスランの奴帰ってきてないのか?」
「・・・・・・・・・家にいる」
 イザークは、缶の酒を飲み干すとまたあらたにビニールの袋の中から酒の缶を取り出し蓋をあける。
「じゃあ、なんでおまえここにいるわけ?」
 ディアッカは呆れたように言いながらつまみになりそうなものを冷蔵庫から取り出すとテーブルの向かいに椅子をひいて座り、イザークの持ってきた酒のプルタブの蓋を空ける。
「アスランが帰ってこなくて、すねたから来たんじゃないの?」
「誰がすねるかっ・・・!!」
 イザークはあおっていた酒の缶をテーブルの上にらんぼうに置く。
 そしておもむろに服のポケットから紙をとりだしたかと思うと、広げてみせる。
「おいおいおい」
 ディアッカはイザークの広げた紙を見て、片手で額を押さえる。
「俺は本気だっ!」
「なんでだよ」
 疲れたような様子のディアッカにイザークは、また酒のひとくち飲んでから言う。
「アスランの奴が、約束を破ったからだ・・・」
「へぇ、そりゃまた珍しいな。何の約束をしてたんだ?」
「結婚すれば、毎日ずっと一緒だとか言ってたくせに・・・」
 ディアッカの問いに答えるというよりも独白のように呟く。
「人が心配してやってるのに・・・三日間何の連絡なしときた・・・!!くそっ」
 思い出すと腹がたってきたのか、イザークは飲んだ缶をにぎりつぶす。
「それで、これ?」
 ディアッカは、イザークが持つ紙をひょいと取り上げてひらひらさせる。
「・・・・・・・・・・・」
「ったく。今日はとことん付き合ってやるよ、そんで明日になったら帰れよ」
 明日になったら多少は、冷静になるだろう、そう思って。


 喉に渇きを覚えて、アスランは身体を起こす。
 まだ薄暗い部屋の中、ベットの上身を起こしたアスランは、自分が家へと帰ってきたのだということを、睡魔ではっきりと覚醒してない思考のなかぼんやりと思う。
 息苦しさに気づき、締めたままのネクタイを少し緩める。
 ひとりでは、大きすぎるベッドの上でとなりに彼の存在がないことに気づく。
 夕べ家に帰ってきたあたりまでは思い出せるのだがその後の記憶がない。
「イザーク・・・??」
 しんとした部屋の中、ぬくもりが感じられない冷えたその感覚。
 アスランは、慌ててベットから抜け出す。
 灯りのついたままのリビングに気づいて、一瞬ほっとする。
 だが、部屋にイザークはいなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
 普通に生活していてはこうはならないだろう部屋の荒れ方に、アスランは事態を悟る。
 どうやら怒らせたらしい・・・。
 行き先には、大体の見当がつく、ディアッカのところだ。
 仕事もなんとか一区切りがついて、日付がかわった今日は休日である。
 ゆっくりと二人で過ごせるというのに。
 アスランは、寝乱れた服装を簡単に整えるとその場を後にした。

 


 来客を告げるインターフォンが聞えて、ディアッカは酔いつぶれて眠ってしまったイザークをソファに運び毛布をかけてやると玄関へとむかう。
 モニターで人物を確認してから開ける。
 寝不足なのか、機嫌が悪いらしくどこか表情の険悪なアスランがそこにいた。
「イザークなら・・・」
 アスランは、ディアッカに視線をうつすことなくつき進む。
「ったく、なんでこうも人の話を聞かないんだよ」
 ディアッカは、ため息をつきながらアスランの後を追う。
 キッチンのその先にあるリビングのソファにイザークがいるわけなのだが。何故だかアスランはキッチンで立ち止まっていた。
「・・・・・・・・・」
「どうかしたの?」
 なにかを手に持って眺めている様子のアスランに、ディアッカは後ろから手元を覗き込む。
 一枚の紙。
 慌てて横から取り上げようとするディアッカの手をかわすとアスランは折りたたんで上着のポケットにしまう。
 さっきまでの機嫌の悪い表情が一転した、にこやかな笑顔にディアッカは思わず一歩退く。
 アスランは、笑顔のままイザークの元へ行くと眠っているイザークの肩を揺さぶる。
「イザーク、起きろよ。帰るよ」
「ん・・・・アスラン・・・?」
「ほら、帰ろう?」
 酔ってるためか、イザークは素直に頷くとおぼつかない足でふらふらと立ち上がる。
 それを支えてやるとアスランはディアッカに向き直る。
「じゃあ、イザーク連れて帰るから」
「あ、あぁ。じゃあまたな」
 ディアッカは、これ以上関わるのもどうかと思いそのまま二人を見送った。


 外の空気に触れると急にに、酔いが醒めてきたのかアスランに体重をあずけるような形で歩いていたイザークは平気だからと言うと一人で歩き出す。
「イザーク」
 アスランが、イザークを呼ぶ。
 イザークは聞えていないかのように、家までの道のり、アスランの前をすたすたと歩く。
 アスランが、歩調を速めて隣に並ぼうとするとイザークはさらに歩調を速めて前を歩く。
 アスランも、歩調を更にはやめて今度はイザークを追い越す。
 追い越されたイザークは・・・。

 競歩のようなスピードで家に戻って来たイザークは、身体を動かした事でまた酔いがまわったのかそのままのスピードでキッチンへと突き進み戸棚からコップを取り出すと水をそそぎ一気にあおる。
「・・・・っふ」
 ズキズキする頭を片手で押さえそのまま寝室へと移動するとベットへと倒れ込む。
 アスランは、後ろからずっと着いてきていた。
 しかし、今は眠かった。
 大きめのベットのスプリングが、揺れる。
 アスランの気配をすぐ近くに感じてイザークはぎゅっと瞼を強く閉じる。
 アスランの、長い指がイザークの髪に触れる。
「イザーク」
 耳元で、名前を囁く。
「・・・・」
「イザーク」
 完全に寝たふりを決め込むイザークの耳元で再度呼びかける。
 ・・・・・・・・・。
 暫くの静寂のあと、イザークはそろりと目を開ける。
「!!」
 薄く開けた視界の先にいるアスランとばっちり視線があう。
「・・・・・・・・・」
 イザークは不機嫌な表情で、すぐ傍にいるアスランをどけると同時にベッドから身を起こすが、そのまま上から体重をかけて押し戻される。
「なにすっ・・・!!」
 抗議の言葉を唇で塞ぎながら、アスランは片手でネクタイを緩めると、解く。
 イザークの両手を掴むとそのまま上にあげると、ベッドへとネクタイで器用に括る。
「・・・っは・・・なにして・・・!!」
 やっとアスランの唇から解放されたイザークは突然のことに驚き、縛られた両手を外そうをもがく。 
 少々もがいた後、はずせないとわかるとイザークはアスランを睨みつける。
「おいっアスランこれを外せ!!」
 怒鳴るイザークの目の前にアスランは一枚の紙を突き出す。
「っ・・・・!!」
 目の前の紙が何であるかを認識をするとイザークは息を詰める。
「イザーク」
 上から見下ろしてくるアスランの呼びかけにイザークはびくりと身体を震わせる。
「どういうつもりだ?」
 視線を逸らすことも出来ずにいるイザークの目の前でアスランは、その紙を引き裂く。
「・・・!!貴様俺が苦労して書いたものをっ」
 何時間もかけて作成したものを一瞬で無にされてイザークは思わずそう言う。
 裂いた紙がアスランの手からぱらぱらと下へ落ちる。
「全然反省してないみたいだね」
 その声とはそぐわない表情で、笑んだアスランの手がイザークの服をたくしあげる。
 酒と、縛られた腕を外すのに少々暴れたためにほてった身体が、室内とはいえ少々冷たい外気にさらされてイザークは身をすくめる。
「っ・・・アスランっ・・・」
 アスランの手が、イザークの肌をなぞるように触れる。
「アスラ・・ンっ・・・!!」
 肌のうえを滑るように、その感覚にイザークは身体を熱くする。
 しかし、目の前のアスランは呼吸をみだすこともなくイザークを見ている。
 何度も呼びかけるが、アスランは黙したまま手の動きをやめることなくすでによく知っているイザークの敏感なところに戯れのように触れる。
 その手が下のほうへと移動したときイザークはたまらず声をあげる。
「やめろ・・・っ!」
 その言葉にアスランは、快楽で少々潤んだイザークの瞳と視線をあわせる。
「やめてほしいんだ?」
 アスランの手が、イザークの中心に触れる。
「こんなになってるのに?」
 くすりと楽しそうに笑うが、双方の眼差しは少しも笑ってなどいない。
 その様子に、ぞくりと背筋を震わせる。
「アスランっ・・・」
 アスランは答えることなく、手の動きを再開する。濡れた音がやけに耳につく。
「っ・・・う・・・はぁっ・・・」
 慣れた手つきで丹念に扱いていくアスランの手つきにイザークは、縛られたままのその両手を固くにぎりしめて何とか耐えようとする。
 快楽をどうにか逃がそうと身をよじるが、それをアスランが許すはずもない。
「そんなに強く握り締めたら傷がつくだろ?」
「そうっ・・・思うなら・・・ほどけっ・・・!」
 涙を滲ませながらも強くにらみつけてくるイザークに、ぞくぞくする。
 この快感は愛情なんかじゃなくて。
「イザーク・・・」
 これ以上ないくらいに耳元で甘く囁く。
 わずかな吐息にも反応をかえすイザークを、アスランは楽しげに見つめる。
「アスランっ・・・・」
 どうやら限界が近いらしいイザークは、たまらずアスランを呼ぶ。
 少し強くしごいてやることで、精を開放させる。
「っ・・・」
 弛緩した身体を休ませることなく、アスランはイザークの足をつかむ。
「・・・・アスランっ・・・やめ・・・」

NEXT


使用上の注意

※暗いところで読むと視力低下につながります。イザークには一日三回アスランを与えてください。
コズミックイラ71・・・そんなにも通信技術が発展してて、役所に紙を貰いに行くのですか、とか紙にサインなのですかとかいう疑問はとりあえず聞いてはいけません。パラレルです。
裏なのに中々エロい展開にならないのは実はなんとか先延ばしにしようとしてませんかとか、脳内完結させようとしてませんかなどという鋭い突っ込みを入れてはいけません。慧眼恐れ入ります。
が、私はもともと読むほうが専門だ!!(えばるな!!BYリフィルせんせえ)シンフォニアネタを種裏でやるな自分。
そんでもって基本設定なんぞはなんら意味がないことに気づいた・・・!!(遅っっ)