「アスランの奴っ…!!」
 ドアを乱暴にあけたかと思うと、イザークは部屋の中央で右手を握った形で肩までふるふると震わせ、絞り出すような声を発する。
「くそっ…!!」
 憐れ八つ当たりのターゲットとなったのは近くにあったクッションだった。
 ぼふっ…!!ぼふっ…!!ぼふっ…!!
 しかし、柔らかいため殴った時のショックが吸収されるせいかイザークの怒りもおさまらないようで…。
 次なるターゲットを探しかけるイザークに、部屋のもう一人の主ディアッカが話し掛ける。
「イザーク、またアスランと喧嘩してきたの?」
 ディアッカはベットの上、雑誌を片手でめくりながら聞く。最近はもう慣れたもんで、イザークが怒って部屋に戻ってきてもそう動じなくなっていた。
「ったく懲りないねぇ」
 ぺら。
 雑誌をめくる。
「で?今度は何が原因?」
 ぺら。
「何がって!!アスランのやつがっ・・…!!・…???・・・・・・・・・・???」
 イザークは、アスランがどう理不尽であったか(あくまでイザーク側の見解として)を語ろうとして止まった。
 原因?
 そもそも今回何が原因だったのだろうか?
 いつものように奴の部屋に行って・…
「とにかくっ!!アスランが悪いっ…!!」
 どうやら頻繁に言い合いをするため、何がきっかけであったかはすでに意味をなしていないようだ。
「別れるっ!!」
 拳を握ったままイザークは高らかに宣言した。
 ぺら。
 雑誌をめくる音。
 何がどんな理由でそうなったのか理解できるようでさっぱりわからないが、イザークとアスランは付き合っていた。
 いわゆる、恋人どうしってわけなのだが…
「先週もそれ聞いたけど、まだ別れてなかったんだ」
 ぺら。
 イザークはディアッカのセリフにぐっと言葉をつまらせたあと何故か顔を赤くする。
「今度こそは本気だっ!!奴に引導をわたしてやる!!」
「ま、頑張って」
 アスランと付き合い出してからは、この部屋の備品やら物を破壊する確率は減ったように思う。
 が。付き合ってからのほうが、衝突が多くなったような気がするためディアッカはどちらでもよかった。
 イザークは、ディアッカの声援(?)をうけて再び部屋を後にするのだった。 


「ったく、イザークのやつ・・・」
 アスランは、イザークが暴れたために散らかった部屋を片付けながらぼやく。
 暫く、散らかされた部屋を淡々と片付けていると、先ほどイザークが勢いよく出て行った扉が突然あく。
「アスランっ・・・!!」
 戻って来た。
 喧嘩した後、すぐにイザークが戻ってくることなど珍しい。
「イザーク?」
 つかつかと部屋に入ってきたイザークの勢いにアスランは少々ぽかんとする。
 アスランの前で立ち止まったイザークは、視線を真っ直ぐに合わせて睨みつけきっぱりはっきり一言だけを告げる。
「別れる」
 一瞬息がとまるような感覚に襲われて、アスランはそれでも平然としたふりを装う。
「別に、いいけど?」
 あっさりした様子で、そう返されるとは思ってなかったのか今度はイザークが呆然とした様子になる。
「これで喧嘩するたびに部屋を掃除する必要がなくなるな」
 だいたい毎回片付けるのはそろそろ面倒なんだ、と笑顔で言うアスランにイザークは睨みつけたままそれでもどこか傷ついた表情を浮かべる。
「くっ・・・・・・」
「・・・・・・・・ったく!泣きたいのはこっちだ」
 せっかく二人で過ごしてたのに喧嘩になるし、部屋はめちゃくちゃになるし、挙げ句突然別れるなんて言われて。
 アスランはゆっくりとイザークを抱きしめる。
「言っておくが、そう簡単に手放す気なんてない」
「・・・・・・・・」
 イザークは、無言でアスランの背に手を回す。
「安心した?」
「・・・・・・・別に」
 どうしてこうも素直じゃないのかと、呆れつつもアスランはイザークの頭をなでる。
「さっきまでの続きしようか?」

 言葉はなかった。


 えーと。私の文章はいつも中途半端です。 汗 この文は最初なんとなくの勢いだけで書いたものなので後どうするか困りました(汗)
 沈黙は肯定と、そういうわけです(どういうわけだよ)