*嫁決定(親公認)* 「健二さん、駅前のコンビニ行くから一緒にいこ」 「健二さん、数学得意でしょ。宿題手伝ってよ」 「健二さん」 「健二さん―――…」 「何か悪いわね、佳主馬がべったりで」 「あ、いえ」 「ほらね、健二くんくらい歳の離れたお兄さんってのが親戚にもいないから、懐いてるのね」 「でも僕も一人っ子ですから。何か弟が出来たみたいで嬉しいです。あ、でも佳主馬くんのが全然僕より頼りがいがありますけど…」 「ふふ、でも佳主馬って基本人見知りする子だから、あんなに手なずけちゃうなんてすごいわよ」 「手なずけって」 「そうだ。健二くん、うちにいらっしゃいよ」 「え」 「あの子あんな感じで気難しいから、健二くんがいてくれたらもっと素直になってくれるような気がするわ。 それに健二くんしっかりしてて、お手伝いたくさんしてくれそうだし」 「え、っとあの」 「―――母さん」 「あ、佳主馬く…」 「その話、興味深いね。もっと詳しく」 「ちょ、え、えええ!?」
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