近くて、遠い

 

 

 

 

 

「それでね、佐久間の奴ってば酷いんだよ。僕だって別にそんなつもりじゃなかったのに」

『でも健二さんの迂闊さも問題あるんじゃない？』

「ひ、酷いなあ。僕だって意図的にそうしかった訳じゃなくて、不可抗力というか」

『………』

「大体佐久間も佐久間で……？……佳主馬くん、どうかした？」

『健二さん』

「？」

 

 

『―――………健二さん、会いたい』

 

 

「！」

『健二さんの声、電話やＯＺじゃなくて直接聞きたい…会いたいよ』

「………」

『ねえ、健二さん』

「…っ………ぼ、僕も」

『うん』

「…僕も佳主馬くんに会いたい、よ？」

『うん、会いたい。良かった。俺ばっかそう思っているかって不安だった』

「〜〜〜！　そ、んな事……すぐに会えない距離離れてるのは一緒なんだから、考えてる事もたぶん、一緒だよ」

『うん、そうだね……愛してるよ健二さん』

「……………僕も」

 

 

『あ〜あ、早く夏休みにならないかなぁ』