＊ぷろぽーず？＊

 

 

 

 

 

「………健二さんって何気に料理うまいよね」

 

「え、ほんと？」

「うん。大学入って一人暮し始めたっていうから、てっきり毎日インスタントやコンビニ弁当ばっか食べてるもんだと」

「あはは。でもほら、ウチって共働きだったからね。最初は母さんが作って置いておいてくれたんだけど、なんか僕の分だけ作ってもらうのも悪い気になっちゃって、それで高二くらいから始めたんだ」

「ふーん…でもちゃんとおいしいからすごいよ」

「えへへ、佳主馬くんにそう言ってもらえると嬉しいなあ。本見てその通りに作るだけでもそれなりのものができるから、料理の本ってすごいよね」

「その通りに作るってのもなかなか難しいんじゃないの」

「いやあ。でも僕の場合、本当にそのまんまだから工夫も何もあったもんじゃ……」

 

 

「でもこれならいつでもお嫁に行けるね」

 

 

「え？」

「俺、料理のできるお嫁さん大歓迎」

「ええ？」

「もちろん料理ができなくても健二さんなら全然大歓迎だから」

「えええ！？　ちょ、いつからそんな話に…！」

「いつからって―――…そんなん、話を振った最初からに決まってるじゃん？　当たり前でしょ」

「…………」