総合演習Ⅰ③
1年ゼミ最終レポート(2153文字)

2001年大異変!!CDセールス激減!

 音楽業界に起こった大異変。それは、業界を揺るがすほどのCDセールスの激減である。日
本レコード協会の調べでは、01年9月時点でCDの生産枚数は前年同期比90%、出荷セー
ルスも95%に減少と、ともに3年連続マイナスになった。もちろん低迷しているのは音楽業界
だけでなく、長引く不況の影響もあるだろう。しかし、これまで音楽業界は、不況に影響されな
いとされていただけに問題は深刻化している。
 これを僕なりに分析してみると少子化の影響、携帯電話などの通信費の増加、中古・レンタ
ル店の影響、MDやCD-Rの普及、ネット上での違法コピーなど原因を1つに絞ることは難し
い。  
 さらに、こうした外的要因ばかりではなく、音楽業界の抱える構造的な問題もある。特に落ち
込みが激しいのがマキシを含むシングルCDであり、これはこの10年間毎年10~20曲あっ
たミリオンヒットが、今年は一桁台に落ち込んでいることに象徴できる。ヒット曲の失われた時
代=90年代型メガヒット手法の終焉とみることができる。90年代にテレビとのタイアップとカラ
オケ人気に支えられたコアな音楽ファンだけでなくグレーゾーンにまでシングル購入層は広が
ったが、近年では(ここでは全体の意味で)タイアップが有効ではなくなり、カラオケ人気も頭打
ち、グレーゾーンが離れ、メガヒットが生まれなくなった。
             
 タイアップにはドラマタイアップとCMタイアップの主な2つに分類できる。今回調べたのはCM
タイアップであり、(CMが流れている時間に流れている音楽のことである)オリコンとの関係に
ついてリサーチしてみた。
 CMで楽曲が使用されるということは第一に商品のプロモーション効果があげられる。楽曲が
良いものであればあるほど視聴者の記憶に残り商品の好感度アップにつながるからだ。その
ため企業側は誰もが知っている有名アーティストを起用する。第2に商品のイメージ化として楽
曲をタイアップとして起用する。これはその名の通り商品をイメージ化することを目的として楽
曲を使用する。例えばCM以外にラジオや有線、街や店などで楽曲が流れると不思議とそのC
Mの商品を連想してしまう。つまり企業側の心理戦略である。これにより楽曲・商品共に知名
度アップにつながり結果的に商品の売上につながるわけである。そして第3に、商品の手軽さ
をアピールするためにタイアップ音楽を起用する。これは、起用アーティストの知名度の分野と
密接なかかわりがある。これは、例えば化粧品のような有名アーティストタイアップ商品は購入
者の「同一化」をはかる効果がある。
 次に、大物アーティストほど有名商品のタイアップになりやすいことについて解説してみる。言
うまでもないが、タイアップするアーティストが大物であればあるほど商品のイメージアップ=商
品売上アップに貢献する。そのため企業側は、今最も勢いのある、好感度のある今が旬、もし
くは大御所のアーティストを起用する。例を挙げてみるとNTTdocomoに宇多田ヒカル、日本コ
カ・コーラに桑田佳祐、化粧品全般に浜崎あゆみなどがあがる。オファー企業と固定アーティス
トが連携し、話題性を集め、商品・楽曲の相互売上をはかるケースも増えてきている。例えば
日本コカ・コーラ「ジョージア」の吉本オールスターや同「コカ・コーラ」の桑田佳祐がある。この2
つのCMに共通していることは「ドラマ型CM」である。CM内容をドラマ調にすることによって視
聴者の共感をよび商品自体の知名度や売上があがる、ということである。
 
CMソング年間ランキング 公式(オリコン調べ)
   アーティスト曲名タイアップ商品売上枚数

1位 桑田佳祐波乗りジョニー日本コカ・コーラ「コカ・コーラ」110万枚
2位 桑田佳祐白い恋人達日本コカ・コーラ「コカ・コーラ」103万枚
3位 浜崎あゆみevolutionコーセー化粧品「VISE」96万枚
4位 ポルノグラフィティアゲハ蝶エフティ資生堂「ティセラ」89万枚
5位 浜崎あゆみNEVER EVERキリンビバレッジ「サプリ」76万枚
6位 ウルフルズ明日があるさ日本コカ・コーラ「ジョージア」70万枚
7位 浜崎あゆみDearestTU-KA68万枚
8位 宇多田ヒカルFAINAL DISTANCENTTドコモ「M-stage music」58万枚
9位 浜崎あゆみUNITE!キリンビバレッジ「サプリ」57万枚
10位 CHEMISTRYYou Go Your Wayサントリー「ボス」52万枚

 浜崎あゆみ圧勝!!トップ10に4曲!!
01年のCMソングランキングを見ると、目立つのは浜崎あゆみが圧倒的強さを見せたことで
ある。さすがタイアップのエイベックスというべきか。また01年の特徴としてはCM発の大ヒット
ソングがある。例えばコカ・コーラの「波乗りジョニー」好感度CMランキング調査でも上位とな
り、曲とCMがうまく相乗効果をあげた。他はある程度人気のCMになったものや歌の人気ほ
どCMがヒットしないものもあった。不況でヒット曲のパワーに頼ろうとしても、歌だけがひとり歩
きしてしまったものも多くあったことも忘れてはならないのが2001年のCMソングの傾向であ
る。




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