競艇に出てくる用語について説明します。



(コース取りに関する用語)
イン=一番内側のコース。
イン競り=インコースを得意とする選手が多いレースではイン選手は進入が深くなった場合、センター・アウトコースの選手に捲られること。
イン逃げ=一番内のコースを取り、1Mをトップで回り逃げ切る操法。
カマす=進入の時、奥の方から、助走距離を長く取ってスタートすること。
カド(位置)=内の欲しい選手と、中・外を得意とする選手が待機水面で二つに分かれてしまう。内志向の選手に対して中・外選手が助走距離を取ってカマシていく。このカマシ集団の内位置をカド位置という。
マーク=スタートの早い選手や、エンジンのいい選手の隣コースを狙ってコース取りをすること。どちらの隣を取るかで「内マーク」と「外マーク」に分かれる。
外マーク=スタートの早い、エンジンのいい選手の外側の隣のコースからスタートすること。その選手が捲っていけば差して2着が取れるチャンスが多い。(単にマ−クという場合はこの外マークのことをいう。)
内マーク=スタートの早い、エンジンのいい選手の内側の隣のコースを取って、その選手よりも先に捲っていく位置を取ること。
深くなる=助走の距離が非常に短くなってしまうこと。スタートラインでのスピードが乗らない。
差し=ターンマークの旋回でイン艇を先に回してその内に差し込んで抜き去る操法。
捲り=2コースから外の艇が、内側の艇を抑え込んでターンマークを回る操法。助走距離をたっぷりとって全速でスタートを切る、カマシと共同作業のようなもの。選手はこの勝ち方が一番いいという選手が多い。
待機水面=ピットアウトからスタートまでの待機行動で、2M小回り防止ブイ付近の水面をいう。待機時間はレース場によって差がある。
(エンジンに関する用語)
超抜(ちょうばつ)=「超・抜群」の省略からできた言葉。
節一(せついち)=「今節では一番」の省略。
ハミガカリ=エンジンの立ち上がりの手応えを指す。ハミガカリのいいエンジンは、握り込めばスッとついてくる出足の強いエンジン。
ケタチ=「桁違い」の省略。同じような意味で「オバケ」、「鬼足」ともいう。
変わり身=前日まで調子の悪かったエンジンが突然噴き出すことを指す。
(レースの用語)
アジャスト=スタートの時にフライングしそうだと思って直前でスロットルレバーを放ること。艇はスピードに乗ってるのでなかなか減速しないし、アジャストするとモーターの力を出しきれないまま1Mに向かうことになる。
握って回る=ターンの時にスロットルレバーを握ったままスピードを落とさずに回ること。
落として回る=ターンの時にスピードを落とし、回転半径を小さく回ること。
キャビる=キャビテーションを起こす、という言葉の略。ターンの時にプロペラが空気を吸い込んで失速すること。詳しく言うと、高速回転をするプロぺラの背面で、空洞が発生する現象のことを示しているので、ベンチレーションあるいは空気吸い込み(エアー・ドローイング)というのが正しい。
振り込む=ターンの時にハンドルを戻すタイミングと、レバーを握るタイミングとがずれて、舟が必要以上に回り込んでしまって、止まったり転覆してしまうこと。
絞る=捲ろうとする時にスタートをしてから早めに内側に斜行すること。
ちゃつられる=捲ってきた艇の引き波に内側の艇がはまって失速すること。
護国神社参り=住之江で捲りにいって失敗し、1マークで大きく流れてしまうこと。1マークの後方に護国神社があるのでこう言う。
インチンチン=イン逃げが決まり、2着も2コースの選手で決まること。1番人気が多いが、最近ではセンター勢が強いこともあってあまり使われない。
マケモト=「負けて元々」の略。思い切ったスタート勝負や意表のイン取りに出る。予選最終日の勝負駆けでインに入ったりするのはこのマケモトの一発勝負のこと。
(選手の成績に関する用語)
FL便新=5月1日と11月1日は新しい級別審査対象期に入るため、それまで持っていたフライング(F)や出遅れ(L)、事故点などがすべてゼロからのスタートになること。
ピン=1着のこと。一日に2回1着を取ることを「ピンピン」という。
ヒモ=2着のこと。
這う(はう)=悪い成績が一節間続くこと。「這いまくる」ともいう。
満腹=予選での成績が良く、もう大敗しても準優勝戦、優勝戦に乗れる余裕がある状態のこと。
朝メン=1Rや2Rなど11時台に行われるレースに出場すること。強い選手は成績が悪くてこれらのレースに回されるのは屈辱だ。
荷物がある=フライングや出遅れの事故点のことを指す。F持ち、L持ちのこと。「弁当持ち」という言い方もある。
早朝特訓(朝訓=開催期間中のレース前に特別にスタート練習を行うこと。
級別格差(格差あっせん)=A級とB1、B2ではそれぞれ一ヶ月の稼動日数に格差があり、A級は14日、つまり2〜4節。B1級は11日、2〜3節。B2は7日、1〜2節となっていてなっている。
(ぺラの調節や取り付けに関する用語)いなす=エンジンの調子を余計に悪くさせてしまうこと。
めげる=プロペラが変形したり、欠けてしまったりすること。ハネる=エンジンの取り付け(チルト角度やライナーの高さ)を高くすること。直線の伸びを良くさせる。
ドンづけ=チルトを0度、ライナーもなしで、取り付け角度を最も低くすること。出足型になる。
ベンツのぺラ=ヤマト製のぺラのこと。ヤマトのマークがベンツのマークに似ているのでこういう。ナカシマ製ぺラより一回り小さい。
安定板=強風が吹いたり、波が高くなったりした場合に、安全のため艇が安定するように、ボートの後ろに取りつける板のこと。付けるかどうかは競技本部が判断し、付ける場合は全艇がつける。これを付けると伸びがつきにくくアウトが決まりにくくなりやすい。
(競争のグレードの用語)
ビッグ=年に8回行われるSG(スペシャルグレードレース)のこと。賞金がビッグなためこう言われる。
記念=GTレースのこと。「開設O周年記念」や「施設改善記念」など、記念という言葉がつくためこういう。
ダービー=SG全日本選手権競争のこと。あるいは地区選手権競争など、選手権がつく競争に使われる。
平場(ひらば)=一般戦のこと。パンイチともいう。